真鍮キットの工作 3
ハンダごては真鍮キットを組立てる上での重要な道具です。
熱容量やこて先の形状など様々なものがありますが、
TT9クラスの真鍮キットの場合、容量は60W程度が使い易いと思います。
更に、ボイラーの内側など狭い場所の作業もあるので40W程度で細身のコテ先のものも揃えておくと便利です。
こて先はペンシル状・円錐状のものが多いですが、円錐よりは四角錐のものの方が良いです。平らな面がある方がこて先を密着させる面積が広くて熱を伝えやすいからです。
「素材に十分に熱を加える」ということは大変に重要です。特に熱を食う大きな金属部品のハンダ付けには。
ベテランの人は自分で様々なコテ先形状をやすりで整えますが、初心者は左のようなものが1本あればまずは何とかなります。
コテ先は上の様にハンダメッキ状態にしておくことが理想です。私は面倒臭がりで励行していませんが。
またハンダ付け作業を行っていると、熱で焼けてこて先が黒ずんだ状態になっていきます。そうなると熱が伝わり難くなるので、まめにこて先をやすり掛けして胴色状態を保つようにしなければ作業がはかどらなくなっていきます。コテ先は消耗品なので、ちびてしまったら新しいものと交換します。
ハンダ付けを要約すると
 
部品を正確に位置決めし、フラックスを塗り、ハンダをコテ先に取り(または細かくしたハンダチップを所定位置に置き)、しっかり保持、ハンダが流れるまでコテを当てて熱を加える、というのが一連の作業の流れ。
ともあれ、一旦コツさえ掴んでしまえば「ハンダ付け」はとても楽しい作業です。
 
完成すればこのような素晴らしい「鉄道模型」が手に入ります。
デフの薄さ、パイピングの細さ、などは真鍮製模型ならでは、です。
右は、プロの手に成る「倶知安機関区の 二つ目9600」
さすがに見事な出来栄えですが、この域までは達せずとも、十分に工作を堪能し且つ素晴らしい自分だけの模型をモノにする事は可能なのです。
 
それにしてもこの蒸気機関車のディテールの「ロストワックスパーツ」が非常に良く出来ています。1/120というサイズにして小さなバルブ類もきちんと表現、更にそのハンドル部にはなんと極小の穴が六つも・・・

原型を真鍮素材から手作りで作ったのか、と考えただけで思わず気が遠くなりそう、と言いますかちょっと想像がつきません。正に職人技・日本の匠、でありましょう。
蒸気機関車の模型はこの辺の小さなパーツ一つ一つに見所が詰まっていると思います。眺めているだけでビールが美味い。
走らせればもっと美味い。
ご興味の向きは是非一度手にとって見てみるとよく分かると思います。
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